
2001年5月、柔らかな陽光のなかで一枚の写真を撮った。そこに写っているのは、1979年3月9日に運用を開始し、2007年3月25日に静かにその役目を終えた北総7000形である。
思えば、はじめてこの電車を見たのは小学校のころだった。まだ世界の大半を知らない少年にとって、駅という場所は未知の出来事が次々に現れる小さな宇宙のような場所であり、その宇宙の中に突然あらわれたのがこの北総7000形だった。
銀色の車体は光を受けてきらりと輝き、すっと伸びた前面の姿は、どこか未来から迷い込んできた乗り物のようにも見えた。まだ背の低かった私はホームの端に立ちながら、その堂々とした姿を見上げ、世の中にはこんなにも格好いい電車が存在するのかと胸を震わせたのである。
やがて電車は風を連れて走り去り、ホームには静けさだけが残った。しかし胸の奥に生まれた小さな衝撃は、その後もずっと消えなかった。
だからこそ、2001年のあの日、私は思わずカメラを向けたのだろう。かつて少年の心を奪った電車は、変わらぬ姿で線路の上に立ち、どこか誇らしげに次の旅へ向かおうとしていた。
その姿を見ていると、電車に会いに出かける旅というものは、案外こういう瞬間のためにあるのかもしれないと思えてくるのである。




















































































