
田園都市線に乗ろうと、いつものようにホームに立っていると、見慣れた電車の列の中に、どこか異質な気配が紛れ込んでいるのに気づく。やがて滑り込んできたその車両は、鮮やかな色彩をまとい、あの「クレヨンしんちゃん」の世界をそのまま連れてきたような姿をしていた。
春日部を舞台にした物語が、そのまま線路の上を走り出したかのようである。日常の通勤路にふいに現れたその電車は、少しだけ現実の輪郭をゆるめ、どこか遠くの軽やかな時間へと誘ってくる。
窓の向こうに流れる景色はいつもと変わらないはずなのに、車内に漂う空気はどこか違って感じられる。見慣れた街が、ほんの少しだけ物語の中へと引き寄せられるような感覚。
電車とはただ移動するためのものだと思っていたが、ときにこうして、日常をほんの少しだけ楽しい方向へ逸らしてくれる存在でもあるのだと、静かに思い知らされるのである。



「クレヨンしんちゃん25周年記念プロジェクト実行委員会」が東武鉄道、埼玉県、春日部市との共催のもと、作品の舞台である埼玉県春日部市を中心に実施している特別企画「クレヨンしんちゃん25周年記念企画 オラのマチ春日部にくれば~」の一環として運行しているもの。(東武鉄道、クレヨンしんちゃんラッピングトレインに「かすかべ防衛隊」を順次追加 11月25日からは風間くん – トラベル Watch)