
秋の気配がゆるやかに漂うころ、尾久車両センターでは「第6回ふれあい鉄道フェスティバル」が開かれた。ふだんは静かに車両たちが休む場所が、この日ばかりは鉄道を愛する人々の胸の高鳴りで満ちている。
広い構内に足を踏み入れると、往年の名列車の名を掲げた車両が姿を現す。「はくつる」と「ゆうづる」。かつて夜を越えて北へ向かった列車の名が、堂々とした姿で並んでいる。遠い旅の記憶をまとった車両は、まるで長い時間をくぐり抜けて、今日この場所に戻ってきたかのようだ。
かつて夜行列車が走っていた時代を思い浮かべながら眺めていると、鉄道とは単なる乗り物ではなく、人々の旅の記憶そのものなのだとしみじみ感じる。尾久の空の下に現れた二つの列車は、あの日の長い夜の旅を静かに思い出させてくれるのである。











- 第6回ふれあい鉄道フェスティバル
- 尾久車両センター(旧尾久客車区)
- 2006年11月11日開催