
原宿の街に、新しい駅が静かに姿を現した。2020年3月21日、長いあいだ人々を迎え入れてきた旧駅舎に代わり、新たな原宿駅が歩みを始めたのである。
大正13年、1924年に建てられたあの木造駅舎は、実に96年もの年月を経て、この場所に立ち続けてきた。日々およそ七万五千人が行き交う駅でありながら、どこか柔らかな表情を保ち続けていたのは、その長い時間がもたらした味わいだったのだろう。
しかし建築基準法の問題などもあり、その姿をそのまま残すことは叶わなかった。解体という選択の背後には、時代の流れの避けがたい事情があったに違いない。
それでも、新しい駅舎には、かつての面影をできる限り再現しようという思いが込められている。まったく新しいはずの建物の中に、どこか懐かしさが宿るのはそのためだ。
移り変わる街の中で、駅だけは過去と現在をそっと結びつける存在であり続けるのである。











